「タンパク質 37%」「タンパク質 22%」── 成分表に並ぶ数字を、つい高い方が良いと判断しがちだ。だが、その数字には注意して読むべき”前提”がある。本稿はペットフードの数字の正しい読み方を整理する。
「粗タンパク質」とは何か
パッケージに「粗タンパク質(Crude Protein)37%」と書かれている場合、これは「窒素含有量から逆算した推定タンパク質量」を指す。窒素は主にタンパク質に含まれる元素なので、含有量を測れば大体のタンパク質量が割り出せる、という考え方だ。
ただし、これは推定値であって、“体に使えるタンパク質”の量を意味しない。植物性原料(小麦グルテン、トウモロコシグルテンミール、大豆等)でも窒素は出るので、原料の質に関係なく数字を高くできるテクニックがある。
「乾燥重量」vs「フェード(出荷時)基準」
もう一つ大事なのが、何を分母にして”%”を出しているか。乾燥重量ベース(水分を除いた状態の%)とフェード基準(出荷時の状態の%)では、同じフードでも数字が変わる。
| 比較 | ドライ(水分10%) | ウェット(水分80%) |
|---|---|---|
| フェード基準のタンパク質 | 30% | 8% |
| 乾燥重量ベースに換算 | 約33% | 約40% |
ウェットフードは水分が多いから、フェード基準では数字が低く見える。だが乾燥重量で比較すると、実はドライより高タンパクということもある。形状の違うフードを”%”だけで比較するのは無意味だ。
“量”より”質”と”消化吸収率”
数字に騙されない3つの問い
成分表で数字を見たときに、頭の中で投げかけたい3つの問いがある。
① 乾燥重量ベースか、フェード基準か? 形状が違うフード同士を比較するときは、乾燥重量に揃えて見る。
② 原料の質は? 第一原料が生肉なのか、ミートミールなのか、植物性タンパク質なのか。同じ”%”でも質はまるで違う。
③ 消化吸収率は? メーカーが消化吸収率を訴求しているか。していなければ、数字の意味は半減する。
AAFCO基準との照合
| 区分 | タンパク質最低基準(乾燥重量) |
|---|---|
| 成犬(維持) | 18%以上 |
| 成長期・繁殖期(犬) | 22.5%以上 |
| 成猫(維持) | 26%以上 |
| 成長期・繁殖期(猫) | 30%以上 |
これらはあくまで”最低基準”で、最適値ではない。健康な犬猫には、最低基準より高めの良質なタンパク質を継続的に与える方が、筋肉量と免疫の維持に効くという考え方が主流になりつつある。
結論
数字を読むのは、引き算ではなく掛け算だ。「%」×「原料の質」×「消化吸収率」 ── この3つの掛け合わせが、本当に体に届くタンパク質量を決める。表面の数字だけで判断せず、その後ろにある設計を見る視点を持ちたい。
FINEPET’S KIWAMI は、鴨肉を第一原料に据え、ミートミールに頼らない生肉ベースの設計でタンパク質37%(分析値)。”実際に使われる量”まで考えた原材料設計です。
参考文献
- FEDIAF “Nutritional Guidelines for Complete and Complementary Pet Food for Cats and Dogs”
- AAFCO “Official Publication”(各年版)
- Hand MS, Thatcher CD, Remillard RL, Roudebush P. Small Animal Clinical Nutrition, 5th edition