ドッグフードの袋を裏返すと、最初に「原材料」が並んでいる。実はこの一覧、とりわけ1行目が、そのフードの性格を最も雄弁に語る場所だ。だが「鶏肉」「チキンミール」「肉類」――よく似たこれらの表記が、まったく違う意味を持つことは、あまり知られていない。今回は、原材料表の”読み方”を一段深める。
原材料は「重量順」――でも、そこに罠がある
原材料は、配合した重量の多い順に書く決まりだ。だから1行目=最も多く使われた原料、と考えてよい。ところが、ここに見落としやすい点がある。
生肉(フレッシュミート)は、その重量の約70%が水分だ。フードは最終的に乾燥されるため、調理後には生肉の”嵩”は大きく目減りする。一方、ミール(meal)は、あらかじめ水分を抜いて粉にした濃縮原料。同じ表示重量なら、乾燥後に残る実質量はミールのほうが多い。
「生肉◯◯を第1原料に使用」とうたっていても、乾燥後の最終組成では、後ろに書かれたミールや炭水化物のほうが多い、というケースがありうる。これは原材料の分割表記(スプリッティング)とも呼ばれ、見栄えを良くするために使われることがある。ただし――これは「ミールのほうが良い」という話ではない。次が本題だ。
「ミール」「副産物」「肉類」――曖昧表記の見分け方
本当の問題は、量よりも“何の肉か分かるか”にある。表記を整理しよう。
| 表記の例 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| 鴨肉・鶏肉・サーモン (動物種が明記) |
種が分かる生肉 | 透明 |
| チキンミール・ラムミール (種+ミール) |
その動物を乾燥・粉末化したもの。種は分かる | 可(質はピンキリ) |
| ミートミール・肉類・家禽ミール (種が不明) |
何の動物か書かれていない | 不透明 |
| 肉副産物(by-product) | 肉以外の部位(内臓等)を含む | 要確認 |
ポイントは、動物の“名前”が書いてあるか。「ミートミール」「肉類」のように種をぼかした表記は、原料の質やコストを調整しやすくする一方で、飼い主からは中身が見えない。
生肉の価値は「量」だけではない
では、なぜ生肉が評価されるのか。理由は量より“質”にある。生肉は、高温で長時間レンダリング(溶融処理)されたミールに比べ、タンパク質の熱変性が少なく、アミノ酸の損傷も抑えられる。結果として消化吸収性が高くなる傾向がある。
フードを選ぶうえで本当に大切なのは「生肉が1位かどうか」よりも、質の見える原料が、消化しやすい形で使われているかだ。
実践――今すぐ、袋を裏返してみる
難しい知識はいらない。チェックは3つだけ。
- 1行目に、動物の”名前”が入った生肉が来ているか(「鴨肉」か、それとも「肉類」か)
- 「ミール」「肉類」「副産物」で種をぼかしていないか
- 主要な動物原料に、最後まで動物種が明記されているか
結論
原材料表は、メーカーが飼い主に向けて書いた”自己紹介文”だ。名前を名乗るフードと、ぼかすフード。量の見せ方だけでなく、質を名指しできるかどうかに、つくり手の姿勢が表れる。今夜、愛犬のフードの袋を、ぜひ一度裏返してみてほしい。
FINEPET’S KIWAMI は、鴨肉(DOG)・脂肪性魚(CAT)を動物種名で第1原料に明記し、ミートミールを使用していません。乾燥肉に頼らない設計で、消化吸収率87%を実現しています。