「うちの子、ちょっとぽっちゃりしてて可愛い」── その”可愛さ”が、実は寿命を縮めているかもしれない。犬の肥満は、生活習慣病・関節疾患・寿命短縮と直結する。本コラムは肥満の判定と、向き合い方を整理する。
「ちょっとぽっちゃり」と「肥満」の境界
触って肋骨が分かるか、上から見て腰のくびれがあるか、横から見てお腹が上がっているか。この3点で、肥満かどうかが判断できる。「ちょっとぽっちゃり」は、すでにBCS6〜7(やや肥満)に入っている可能性が高い。
適正体重を10%超えたら過体重、20%超えたら肥満と分類される。5kgの犬が6kgになっていたら、それはもう肥満の入り口だ。
肥満が増やすリスク
| 影響を受ける部分 | 具体的なリスク |
|---|---|
| 関節 | 体重1kg増えるごとに、関節への負荷は数倍に。膝・股関節・腰の疾患リスク |
| 心臓・血管 | 高血圧、心臓への負担、血液循環の悪化 |
| 糖尿病 | とくに猫で発症リスクが大幅に上がる |
| 呼吸器 | 気道周辺の脂肪で呼吸が浅くなる。短頭種は特に注意 |
| 寿命 | 適正体重の犬と比べて、肥満犬は寿命が1.5〜2.5年短いという研究報告 |
減量の基本
方法の柱は3つ。給餌量の見直し(必要カロリーを計算し直す)、おやつの管理(1日の総カロリーの10%以内)、運動量の確保(散歩時間・遊びの増加)。
“低カロリーフード”の落とし穴
市販の「ライト」「ダイエット」フードは、カロリーを下げるために脂質と動物性タンパク質を減らし、繊維と植物性原料を増やしているものが多い。これだと筋肉が落ちて代謝が下がる悪循環に陥ることがある。
本来狙いたいのは、高タンパク・適正脂質・適正カロリーのフードを、量で調整する方向。筋肉を維持しながら脂肪だけ減らすのが理想だ。
結論
肥満は飼い主が作る病気だ。逆に言えば、飼い主の判断ひとつで防げる。今日からBCSをチェックして、必要なら適正体重への戦略を立てたい。1〜2年寿命が延びる可能性がある。
FINEPET’S KIWAMI はタンパク質37%(分析値)の生肉ベース設計。給与量を調整しやすいよう、原材料の消化性に配慮した配合を意図しています。
参考文献
- WSAVA Global Nutrition Committee “Body Condition Score” ガイドライン
- FEDIAF “Nutritional Guidelines for Complete and Complementary Pet Food for Cats and Dogs”
- Hand MS, Thatcher CD, Remillard RL, Roudebush P. Small Animal Clinical Nutrition, 5th edition