ペットフードの袋を見ても、「どう作られたか」はほとんど書かれていない。だが製造方法が違えば、栄養素の残り方、消化のしやすさ、保存性まで変わる。本稿は2つの主流製法を比較し、見えない設計判断を読み解く視点を提供する。
エクストルージョン ── 最も一般的な製法
原料を粉砕・混合し、エクストルーダーという機械で120〜180℃ほどの高温・高圧で短時間処理し、押し出して粒状に成型する方法。生産効率が高く、保存性も良く、消化しやすい形状になるため、市販ドライフードの大半がこの製法だ。
ただし高温処理によって、熱に弱い栄養素(一部のビタミン、酵素、不安定な脂肪酸)は損なわれる。多くのメーカーは加熱後に栄養素を吹き付け補う”コーティング”で対応する。
コールドプレス ── 低温短時間の押し固め
80℃以下で短時間の処理によって押し固める製法。熱に弱い栄養素の損失を抑えられ、原料本来の風味や色を残しやすい。胃の中でほどけやすく、消化しやすい傾向もある。
一方で、生産速度は遅く、保存期間も短くなる傾向がある。流通・賞味期限の壁が高いため、扱うメーカーは限られる。
比較表
| 項目 | エクストルージョン | コールドプレス |
|---|---|---|
| 処理温度 | 120〜180℃ | 80℃以下 |
| 栄養素の損失 | あり(コーティングで補填) | 少ない |
| 消化のしやすさ | ○(多孔質構造) | ○(短時間で胃でほどける) |
| 保存性 | 良い | やや短い |
| 生産効率 | 高い | 低い |
| 採用メーカー | 市販品の大半 | 限られる |
「どちらが優れているか」ではない
見えにくい判断を読むには
製造方法はパッケージにあまり書かれない。だからこそ、メーカーが公開する情報の透明性 ── 原材料、製造国、成分の全種開示 ── がメーカーの姿勢を映す鏡になる。「何で作られているか」を全部見せる会社は、「どう作られているか」も丁寧であることが多い。
結論
製法は”見えない設計判断”。袋の裏面には書かれない、けれどフードの本質を決める要素のひとつだ。メーカーの透明性を窓口に、その姿勢から製法の丁寧さを推し量る視点を持っておきたい。
FINEPET’S KIWAMI は、原材料の全種開示と成分分析の公開、放射能検査結果まで開示する透明性を貫いています。製造はスペインで行われています。
参考文献
- FEDIAF “Nutritional Guidelines for Complete and Complementary Pet Food for Cats and Dogs”
- AAFCO “Official Publication”(各年版)
- Hand MS, Thatcher CD, Remillard RL, Roudebush P. Small Animal Clinical Nutrition, 5th edition